ケサランパサランとは?
みなさんは、ケサランパサランの名を聞いたことがあるでしょうか。
コスメフリークなら同名のブランドを思い浮かべるかもしれませんね。しかし、今回取り上げるのは正体不明の未確認生物です。
一言でいうとふわふわした毛玉のような白い物体で、目や口があるわけではないものの、動いている姿が目撃されるなど「生物」として捉えられています。
世界各国で目撃されているようで、日本でも江戸時代の資料にそれらしきものが描かれているそうです。
海外では「ゴッサマー」「エンジェルヘアー」と呼ばれています。
スペイン語の「ケセラセラ」が語源という説もあります。見つけると幸福になるといわれ、オカルトブームのころにはツチノコなどと並んで盛んに取り上げられていたこともあったようです。
ケサランパサランの特徴
ケサランパサランは、綿毛のような外見が特徴で、中心から外へ向けて白い毛が生えている球状の形をしています。
触ることもでき、化粧品のおしろいを食べて増えると言い伝えられています。食べる理由などについては分かっていません。飼育環境は、桐の箱がよいとされているので、見つけたら桐の箱に入れておしろいを与えてみましょう。
未確認生物というと、空想の生き物と思われがちですが、なんと実物が展示もされていて、山形県の鶴岡市加茂水族館にいるとのこと(出かける前に確認してみてくださいね)
書物にもよく記録されているので、いろいろ読んでみるのも勉強になりそうです。
井上靖の『しろばんば』という著名な小説にもケサランパサランとおぼしきものが描かれていますよ。
漫画などにも取り上げられることがあり、ケサランパサランの名前は今にも伝えられています。
ケサランパサランの正体は?
謎の多いケサランパサランですが、正体についての説もいろいろあります。
まずは、「植物ではないか」という説。「タンポポモドキ」の綿毛ではないか、ガガイモの種の綿毛では、アザミの冠毛が集まったものでは…などと言われています。
ケサランパサランはビワの木の近くで見つかることが多く、何か関係があるのかもしれないですね。
次に、「動物ではないか」という説。
ウサギの毛、猛禽類が小動物を食べた際に排出された毛、などが挙げられます。
ケサランパサラン自体が生き物であるともされていて、おしろいを与えると二つに増えるそうです。
それから、虫である可能性。綿虫、雪虫、アオバハゴロモの幼虫など、綿毛のような外見のものが多くいるのですが、これだという確証は見つかっていないようです。
鉱物、カビである可能性も指摘されています。
鉱物としては「オーケン石」という鉱石の、ガラス状の繊維がケサランパサランの形状に近いのではないかと言われています。
オケナイトという、ウサギの尻尾のような形の鉱物もあるようです。カビについては白い綿毛状のものもあり、増えるというのもカビの性質に近いという説もあります。
結局のところ現代でも正体については判明していません。
これだけ科学が進歩しているのに、解明できないというところがミステリアスであり、ロマンティックですね。
ケサランパサランに出会ったら
見つけると幸運が訪れるというケサランパサラン。できれば一度は見ていたいですよね。
ケサランパサランを見つけたら、誰にも教えないでそっと飼うようにと言い伝えがあります。
桐の箱でおしろいを与えて、飼育するみたいですね。おしろいは無香料・無着色のものを選ぶといいそうです。
空気穴を開けないと窒息してしまうそうなので、呼吸もしているということなのでしょう。
研究によると、他の動物のように糞をすることもあるそうです。
分裂によって数を増やしていくことも分かっています。普通のペットのように、愛情を持って育んであげると、持ち主に幸運をもたらしてくれるかもしれません。
ただ、ケサランパサランは不思議な力を持っているとされるので、共存する勇気がない場合は、そっと見守るだけにしておいたほうがいいでしょう。
また、一年に二回以上見ないほうがいいとも言われていて、まだまだ未知の部分が多い生き物なので、接触するときは細心の注意が必要ですね。
全国で目撃されているようなので、もしかしたらあなたの近くにも、ケサランパサランの生息する場所があるかもしれません。
ケサランパサランまとめ
不思議な生きものとして、人々の間で語り継がれているケサランパサラン。江戸時代の人が描いて残したのも、出会った感動を後世に伝えたかったからかもしれません。
目撃者も多く、実物の写真もあったりするので、もしも誰かが本気で調査に乗りだしたら、ケサランパサランの正体が解明されたり、増やし方が分かって誰でも飼えるようになるのかもしれません。
世界にはまだまだ、人間の知恵では理解しつくせないことがあるようなのです。ケサランパサランも、この世界が人間に残してくれたロマンのひとかけらなのかもしれませんね。